デザイナーYU
2019/07/18
印刷の事業でデザインだけではなく、DTP(印刷)のオペレーション業務も兼務しておるデザイナーです。両方やってるのでわかるのですが、「デザイナー側」と「DTP(印刷)のオペレーション側」の入稿作業って少し違う部分があって。
それでも、デザイナーにこれだけは知っておいて欲しいというものがあります。
もちろん色々な印刷会社で入稿方法はそれぞれ異なることもあるので、基本的なことと考えてください。前半は中級者向け、後半は初心者向けの記事になっています。
デザイナーでこれをチェックしない人が多いのですが、なんといっても分版プレビューです。知ってる人は当たり前ですが、デザイナーはなぜか皆んなチェックしないんですよね。
デザインデータに使用しているCMYKに加えて特色などのすべての色を版ごとにチェックできる機能です。Illustratorの使用カラーの色のチェックができます。そうPhotoshopみたいに。
知ってる人には当たり前な機能なんですけど、これがまあ使ってないんですよ、デザイナーは。
「ウインドウ」→「分版プレビュー」で分版プレビューウインドウの表示が可能です。
はい、こんな感じで使用している色が表示されています。正確にいうと、スウォッチパネルに入っているカラー全てが全部はいります。
そのため、「使用されている特色のみを表示」「オーバープリントプレビュー」をチェックしてください。
※最近はあまり聞きませんが、スウォッチに使用しないカラーがはいってるのもデータエラーになる可能性もあります。
では具体的にCMYK+特色の表示をみていきましょう。このようにそれぞの版や組み合わせのみの表示ができます。
では具体的に何を入稿データでチェックすべきかみていきます。以下2点が主なチェック内容です。分版プレビューじゃなくてもチェックはできますが、手っ取り早いです。
意図せぬ特色が入り込んでいないかどうかのチェックができます。特色を使わない場合、全体を選択してCMYKに変換などしてから、再度チェックしてください。
これが本当によくあります。RGBのロゴをもってきてCMYKに変換した場合や、海外のロゴデータをもらって貼り付けた場合などに特に多い現象です。目に見える黒がリッチブラックになって基準値をこえて印刷が乾かないなどといったことが起こりえます。
ブラック版の目を閉じてみたら、髪の毛の色がCMYKでできた予期せぬ髪の色などの発見ができます。例ではわかりやすく髪の毛の部分をリッチブラックにしていますが、小さな範囲で見つかりにくい部分がリッチブラックだったりすることもあるので、最終チェックの際に使えば便利です。
いつもの入稿チェックに分版プレビューを是非とも加えてください!
最近はwebのみやっているデザイナーが増えたせいもあってか入稿ミスが増えています。現場で多いミスのトップ5をお伝えします!僕が楽になるためにもお伝えさせてください!
文字のアウトライン忘れ多いです。すごくベテランっぽい人でも普通に忘れてきます。なぜだ!なぜなんだ!
リンクするって概念が難しい人が多いみたいで、その特性上、WEB系のデザイナーの方はこのミスが少ないかもしれません。リンクするか埋め込みかどっちかしてちょうだい!
画像のリンク、埋め込みはこの記事から
この記事上部の分版プレビューでご説明しました。DICやPANTONEなどの特色は使うなら指定してください。使わないならデータに入れ込まないでください!
塗り足し忘れは、こちらでできる分は伸ばしますよ。でもジャストサイズの写真の場合、塗り足しができないので塗り足しは必ずつけて欲しいです。
塗り足しの説明はこの記事から
RGBだともう致命的です、CMYKに変換すると、見た目が全く変わりますし、CMYKの数値もめちゃくちゃになります。こちらでは直せません。
現場からは以上です。
デザイナーYU
家電系のデザインを得意するデザイナー。かわいいものと甘いお菓子と秋葉原が好き。量販店をはしごして、色々な製品をチェックするのが趣味のデザイナー。
「ドキュメント情報」パネルの「オブジェクト」メニューで諸々一覧できるので、分版プレビューを合わせれば更にミスが少なくなりそうです。
出力側です。
色はRIPでどうにでもなりますが塗り足しと文字切れだけはどうにもなりません。
こちらを重視してほしいものです。
[…] Illustrator:Illustrator デザイナーがたぶん知らない入稿チェック方法 […]
素晴らしい!
最近、デザイン業界に復帰して忘れていた部分もあるので、大変勉強になりました(^^)
入稿時は先方にご迷惑をかけないようにしたいものです。
この方法知らなくて、いつもひとつひとつ選択して確認してました…ありがとうございます!
分版プレビューに触れるなら、1C入稿用の注意点も追記したらいいのでは。ブラックだけ目を潰した時、何か存在したらそれはリッチブラックの可能性。または、グレスケのふりした4Cリンク。リンクをバッチ処理してると、そういうことが起こりやすい。トンボのレジストレーションも見逃しがち。2C刷りの時でも同じようにチェックする。
それから、スウォッチ「使用したカラーを追加」も便利。ガイドに特色、隠したオブジェクトに不要なスウォッチ、流用流用での作業であれば同じ色の違う名前スウォッチ等…。案外いる。
あるある、とうなづきつつ読んでしまいました。あるある。
製版会社の人間としてはスミ文字を4c掛け合わせでつくってくれるなというのと線数を理解してほしいのとオンデマンドとオフセットと凸版印刷の違いを理解してほしい。デザイナーさん達って例えば凸版印刷で再現できる線幅ってどれぐらいだと思ってるのか聞いてみたい。0.02mmの線幅が再現できる訳ないじゃん。それにptでデータを作ってくれるな。mm単位にしてほしい。データは整数で揃えてほしい。0.00mm単位の端数はいらない。あと一文字だけロックを掛けないでほしい。余計なとこでトラップを仕掛けないでほしい。グラデーションも0.2%以下のアミは再現できない。0.2%になるとそこでぶつっと途切れる。イラストレーターのデータに画像を張り付けるなって、画像ファイルのドットはアミになって出てくる。それを飛ばすと線ががたつく。まっすぐな線じゃなくなる。毛抜きだって印刷会社によっては0.12mmくれっていうところも多いのに、モノによっては絵柄と絵柄の位置が近すぎて毛抜きを入れられないんだよ。トラブルが起きるのはたいがい凸版だ。あー書き出すと止まらないのでこれぐらいにしておきます。
illustrator初心者なので、参考にさせていただいています。
ロゴの使用が印刷用の場合はCMYKで作成すると思うのですが、会社のロゴなどはWebでの使用も含まれる場合が多いと思うのですが、そういった場合はどのようにされるのでしょうか?
カラーピッカーで!マークが出ない、かつWebセーフカラーを選ぶと、色の選択範囲がとても狭まりますよね? 勉強のためにコンペに参加していて、基本RGBで作成しています。
もし採用されたら両方作るということになるのか、なるべく無難な色を使っていますが、万が一、印刷用とRGB用で大きく色が変わってしまってトラブルにならないか不安です。
可能であれば、教えていただけると幸いです。
“リンクするって概念が難しい人が多いみたい”はさすがに無いのではとか。それ分からなかったらもうデザイナーじゃないと思います。リンク画像忘れるなんて人いるんですね…..
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