堀内 良太
2019/09/13
モデルや、商品、料理などの加工をしているレタッチャーやPOP、広告などを作っているデザイナーの方であれば
クライアントから
「このモデルの帽子の色を赤じゃなくて青にしたいんだけど、、」
「この料理の青野菜の部分だけもう少し黄色を強くしたいなあ、、」
「背景の屋根の色を黒じゃなくてオレンジにしたいんです」
こんなピンポイントな修正や要望を受けること、たまにあると思います。
そしてPhotoshopなら、そういった要望に簡単に対応することができます。
Photoshopは、以下の色の置き換えができます。
●同系色の色をすべて置き換える
●特定の部分だけ色を置き換える
●白や黒色を別の色に置き換える
今回は、この3つの置き換え方法を順にご説明します。
色の置き換えはどれもとっても簡単です。Photoshopを日常的にあつかう方は頻繁に行う工程なので、ぜひ覚えておいてください!
まずは同じ色をすべて置き換えるやり方です。
画像を用意し、「イメージ」→「色調補正」→「色の置き換え」を選びます。
色の置き換えパネルが出ますので、そこの左上にある一番左のスポイトを選択して、画像内の置き換えたい色をさわります。
次に変更したい色を決めます。
パネル下の数値にある色相・彩度・明度のゲージをスライドするか、結果と書かれた小窓をクリックしてカラーピッカーから色を選択して決めます。
色の変更範囲は、許容量と書かれたゲージをスライドすることで調整ができます。下は左が許容量少なめ、右が多めの場合の結果です。
許容量が少なすぎると色の置き換え度合いが弱いので、あるていど大きめに調整することをオススメします。
これで色の変更ができました。
しかし、とうもろこしの粒と粒の間は影になっている部分は色が変更されませんでした。
この場合、色の置き換えパネル左上のスポイトアイコン2つめの「+」がついたスポイトを選択し、溝の部分をクリックすれば、溝も同じように変更カラーに置き換わります。
よければOKを押して完成です。
こちらもやり方としては同じような方法ですが、レイヤーに直接変更を加えるのではなく、調整レイヤーを用意して設定をおこなうため、何度でも編集が可能なのでオススメです。
レイヤーパネル下にある「塗りつぶしまたは新規調整レイヤーを作成」をクリックし色調補正を選択します。
その後「選択範囲」→「色域指定」を選択し、色域指定パネル右下にあるスポイトツール(左)で置き換えをしたい色の部分を選択します。
許容量と範囲を調整したらOKボタンをおして準備完了。さきほどひらいた色相・彩度のパネルで色の変更をおこないます。もちろんカラー設定・明るさ、コントラストの変更などもできます。
その名のとおり、部分的に色を変えたい時におこなう方法です。
まず、置き換えたい色の部分をなげなわツールでかこみます。
選択範囲がつくれたらさきほど紹介した色調補正での色の置き換えをおこないます。(「イメージ」→「色調補正」→「色の置き換え」)
色を決めたらOKをおします。
色が置き換わりました。↓
なげなわツールでかこんだ選択範囲内のみで置き換えが行われるため、他の部分は色が変わりません。
とっても簡単です。
ブラシを使った置き換え方法で、ブラシを使うだけあって、色を塗るようにして置き換えをおこないます。
ブラシツールの3番目にある「置き換えツール」を選択し、パレット左下の描画色で変更したい色に設定します。
画面上部にあるスポイトのアイコンを真ん中のアイコンに、許容値は少なめの20〜30%ほどに設定します。モードは「カラー」で大丈夫です。
変更したい色の箇所をブラシでなぞれば、変更したい色の部分のみ色が置き換わります。
ブラシを大きめに設定していたり、許容量を大きくしすぎると、色が対象からはみ出てしまうことがあるため、できるだけブラシサイズを小さめにして調整していくことをオススメします。
この方法はブラシ(手動)での調整ができるので、細かい作業に向いています。
ここまでは赤や青、黄色など、色彩のある色に対しての置き換えの方法を紹介しました。
しかし、実は上で紹介した方法で色の置き換えができないカラーがあります。
それは黒・白・グレーなどのモノトーン色です。
黒や白・グレーには色彩となる彩度がありません。0です。これでは調整をしても色が変わりようがありません。
そこでこの場合、モノトーンカラーの上に同じ形の好みの色をのせて描画モードで色を合算させます。
やり方は色域指定を選択して白部分を全て抽出したあとOKを押します。+スポイトも使って影の部分も抽出しましょう。
選択範囲が作成できたらレイヤーパレットから新規レイヤーを作成し、そこに任意の色を塗りつぶしします。
透明度を30~50%ほどに調整、描画モードを乗算でできあがりです。
もちろんこのレイヤーに対してであれば色調補正やカラーバランスなどで色味の調整ができます。
今回ご紹介した色の置き換え方は機械的な調整方法なので、完璧ではありません。細かーい際の部分はご自分でブラシや消しゴム、ぼかしなどを使って微調整をしていく必要はあると思います。
そこがプロとアマの違いかもしれません。理解しておくと、よりクオリティの高いビジュアルができると思います。
堀内 良太
フォトレタッチとイラスト作成が得意なフリーランスのデザイナー。デザインがなんだかアメコミっぽくなる習性がある。ヒップホップを愛する。
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