堀内 良太
2020/02/17
画像を切り出して別の画像に合成して新しい画像を作りたい。
画像を部分的に複製してそこだけ色や明るさの調整をしたい。
とりあえず人の形で型を作成しておきたい。
などなど、Photoshopをつかっているとペンツールやクイック選択ツールなどをつかって人物やものの形を型どって切り出したり、切り出したものを複製したり削除したりする場合がたびたびあります。
今回はそんなときに必要な、Photoshopの「パスを作成する」方法と「選択範囲の作成する」方法を紹介します。
パスとは、Photoshopであつかうベクター線のことで、図形や人やものなどを囲うときに使われる線のことをいいます。
ベクターデータなので、どんなに大きな情報を囲っても劣化することはありません。
そして、パスの線は制作上確認できますが、印刷やwebに描き出したさいのデザインには影響を与えることはありません。
型どったパスは選択範囲を作成して部分的に切り出したり、複製したりすることができます。
切り出した画像を他の画像と合成して新しいイメージを生み出すこともできます。
パスを使って人やものを切り抜く
現場で使える!photoshopで人物の切り抜きの記事はこちら
またパスから選択範囲を作成して、部分的に色を変えたり、新しいレイヤーに色を塗ったりすることもできます。
言葉だけではわかりにくいと思いますので実際にやってみましょう。
ではさっそくパスの作成方法〜選択範囲を作成するところまでやっていきましょう。
まずはパスをひくための画像を用意します。できるだけ滑らかな?デコボコの少ない被写体が写っている画像を選びましょう。
左側パレットからペンツールを選択します。
そうしたら被写体にそってペンツールで線をひいていきます。
はじめに被写体の周りどこからでもいいのでクリックします。
点がついたら、次のカーブの手前まで直線なので、手前をクリックして直線をひきましょう。
直線が引けました。
ここでパスに関する各名称を紹介します。
セグメントはここではややこしいので線と呼んでいます。
次はカーブです。
クリックしたあと、次のポイントをクリックします。次のクリックはクリックしたままで横にスライドすると、方向線とハンドルという線がでます。
方向線は次にパスが向かおうとしている方向をしめすもので、ハンドルはそれを調整するものになります。
カーブの角度を変えたい場合は、macならcomman+クリック〜スライド(windowsならctrl+クリック〜スライド)でハンドルの角度が変わります。
右へ倒すと左へ膨らみ、左へ倒すと右が膨らみカーブがかかります。
倒せば倒すほどカーブの膨らみも大きくなります。
次はくぼみの部分に直角のカーブがあるのでそこの角をクリックして手前の角度を調整しましょう。この場合上側にスライドすることでうまくカーブさせることができました。
片側のハンドルのみ動かす場合はoption+クリックしてスライドで動かすことができます。
今回は進行方向のハンドルのみを動かしたので、そちらだけ角度が変わります。
次の点をクリックすると、パスがくぼみからカクンと角度を変えて直線がひけるようになりました。
なので片方だけ角度を変えたい場合は、option+クリック〜スライドとおぼえておきましょう。
ちなみにパスを作成するさい、画像を拡大して作成した方がより精密に被写体の形のパスをひくことができます。
逆に縮小して表示(全体を表示など)した場合は、カーブが少なくハンドルのスライド量も少なくすみますが、パスをひいたあと拡大して見てみると、若干ズレがある場合があります。
なので、パスを被写体にそってしっかりひきたい場合は、拡大して作業することをオススメします。
これらの技術を使い分けて、被写体を囲んだら、最後にはじめに描き出したパスの点をクリックしてパスを閉じます。
閉じた状態です。↓
さて、ここまで説明してきたパスは作業用パスというもので、まだしっかりと保存はできていない状態です。
作成したパスを使って複製や切り出しをおこないたい場合は、作業用パス→パスの保存をすることをおすすめします。
保存しない場合、せっかくパスで型どったものが、消えてしまうので作った場合はぜひ忘れずに保存をおこなってください。
方法は、パスと書かれたパネルをひらき、その中の作業用パスを選択します。
右側メニューをクリックし、「パスを保存」をクリックします。
パスを保存と書かれたパネルが出現するので、名前をつけてOKを押します。
これで好きなときに好きなだけパスを利用することができます。
これはペンツールを使うより簡単にできますが、複雑な画像(髪の毛や細かい線がたくさんあるもの)は細かい部分までは読み取ることが難しいためあまりおすすめはしません。
ただ、背景が1色であったり、被写体とのコントラストがはっきりしている場合は、Aiが認識しやすいので自動選択ツールでパスを作成しても大丈夫かと思います。
今回のこの画像も割と選択しやすかったのでこのまま使っていきます。
まずはじめに、左側パレット内、クイック選択ツールを選択します。
それを使って、被写体をなぞっていきます。はみ出さないようになぞりましょう。すると点線の枠がじょじょに被写体をかこっていきますので囲いきったらOKです。
次に、作った選択枠をパスにして保存していきます。
選択した状態でパスパレットの右上メニュー内「作業用パスを作成」を選択します。
すると作業用パスと書かれた項目ができました。次はその項目を選択し、右上メニュー「パスを保存」でパスの完成です。
パスを保存と書かれたパネルが出現するので、名前をつけて保存。
クイック選択ツールで選択した場合、このように影の部分まで選択されて作られてしまいます。
なのでこういった場合、パスを修正する必要があります。
作成したパスを修正することもできます。
左側パレットにあるパス選択ツールを選択します。
その後、作成したパスを選択します。
パス線が出現するので、それを白矢印(パス選択ツール)で不要な部分を囲みDELETEで削除しましょう。
部分的に削除できたら、再びペンツールでなぞれば修正完了です。
動画でもどうぞ
パスは保存された状態のままなので、もう一度保存する必要はありません。
もしくはペンツールを使って必要な場所に線を追加することもできます。
作成したパス線の上にペンツールでクリックするだけで点とハンドルが追加されます。
これを動かせばパスを大きくしたり小さくしたり、変更をくわえることができます。
ペンツールや自動選択ツールを使ってパスを作成する方法を紹介しました。
ペンツールはPhotoshopではもちろんのことIllustrator でも(ほぼ)同じ要領で使うことができるので覚えておいて損はないと思います。
以下パスを作成するさいの注意点として、
お忘れなく!
堀内 良太
フォトレタッチとイラスト作成が得意なフリーランスのデザイナー。デザインがなんだかアメコミっぽくなる習性がある。ヒップホップを愛する。
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