堀内 良太
2020/07/28
Photoshopで画像の色合いや明るさの調整をしたけれども、やっぱりもう少し色合いを変えたいと思ったり、クライアントから「画像をもっと明るくしたい」なんて要望がはいったりした場合、再び画像に修正をくわえる必要があります。
こういったとき、Photoshopの「調整レイヤー」という機能を使えばもともとのカラー情報は失わずに、何回でも色調整をおこなうことができるのでとても便利です。
今回はPhotoshopの調整レイヤーの説明と使い方を紹介していきたいと思います。
調整レイヤーとは、画像やオブジェクトの色調整をおこなうための機能です。
通常レイヤーにたいして色調整をする場合、レイヤーに直接変更をくわえていきます。
レイヤーに直接加工をおこなうので、もとの画像情報は失われます。そして何度も修正をくわえると画質も劣化してしまいます。
それにたいして調整レイヤーは、画像の上に特殊なフィルターを配置し、そこに加工をおこないます。
そうすることでもとの画像には一切変更をくわえることなく何度でも修正をおこなうことができます。画質の劣化の心配もありません。
色調整が簡単におこなえる
もともとのカラー情報を残しつつ色調整がおこなえる
カラー情報が残っているので、もしものときのために画像を複製しておく必要がない
複数の色調整(明るさや色合い、トーンなど)を設定することができる
何度色調整をおこなっても画質が劣化しない
調整レイヤーににはいろんな種類の設定があります。これらすべての調整をおこなうことができます。
以下がその設定内容です。
●明るさ・コントラスト
画像の明るさとコントラストをそれぞれのスライダーで調整できます。
●レベル補正
画像のピクセル分布をヒストグラムで表示し、階調の調整をします。
●トーンカーブ
レベル、明るさ、コントラストなどを曲線で調整します。階調や色域の調整もできます。
●露光量
画像の明るさをRGB値の光の強さで調整できます。
●自然な彩度
彩度調整による階調の劣化を抑え、自然な彩度に調整できます。
●色相・彩度
画像の色相、彩度、明度を調整できます。
●カラーバランス
RGBカラーそれぞれの値の調整ができ、色調の補正ができます。
●白黒
カラー画像をグレースケール(白黒だけの色合い)へ変換できます。
●レンズフィルター
暖色系や寒色系など、物理的なカラーフィルターの効果を擬似的に再現できます。
●チャンネルミキサー
RGBカラーチャンネルの明度を調整し、色調の補正ができます。
●カラールックアップ
選択した3D LUT(3次元空間のカラーテーブル)の色調に変換できます。
●階調の反転
画像の階調を反転します。
●ポスタリゼーション
画像の階調数を少なくすしたポスタリゼーションの効果を調整できます。
●2階調化
2階調化したモノクロの境界(しきい値)を調整できます。
●グラデーションマップ
グレースケールの濃淡に対してグラデーションを設定できます。
●特定色域の選択
画像内にある特定の色域をCMYKカラーで調整し、色調を補正できます。
それでは調整レイヤーを実際に画像に設定していきます。
調整レイヤーをおこなう方法は3つあります。どの方法でも結果は同じです。
レイヤーが表示されているパネルにある白黒の円マークをクリックするとメニューが表示されるのでそこから好みの設定を選択します。
レイヤーと一緒になっているので作業がしやすいかと思います。
上段メニューの「レイヤー」から「新規調整レイヤー」→メニュー表示されるのでそこから好みの設定を選択します。
ウィンドウメニューから「色調補正」を選択すると色調補正とかかれたパネルが出現します。そこには設定メニューがアイコンで表示されます。
矢印をおくと設定名が表示されるのでそこから好みの設定を選択します。
どの方法でもいいので何か設定をおこないます。項目を選択すると、その属性パネルが出現します。
そこのゲージをスライドして調整します。
これで設定完了です。画像が明るく(暗く)なりました。
画像レイヤーの上を見ると、調整レイヤーが適用されているのがわかります。これが調整レイヤーです。
さらに別の設定をくわえたい場合、おなじように設定することで簡単に追加することができます。
ここでは色相・彩度を選択し調整してみました。
スライダーを動かして設定完了です。
レイヤーパネルに新たにくわえた調整レイヤーが追加されました。
設定は何個でも追加することが可能です。
設定を再び調整したいという場合は、レイヤー上部にある調整レイヤーの項目をクリックして再調整することができます。とっても簡単です。
ゲージを動かすだけで色調整ができます。
設定を一時的になくしたい場合は、調整レイヤー横にある目のアイコンをクリックすれば効果を消すことができます。
再び効果を見せたい場合はおなじように目のアイコンをクリックします。
複製したい調整レイヤーの上で右クリックするとメニューがひらきます。
その中にある「レイヤーを複製」をクリックするとパネルが出現します。
レイヤーの名称を入力し、次にドキュメントと書かれた項目から複製したい複製先のファイルを選択します。
選択したらOKを押せば複製した調整レイヤーが別のファイルに反映されます。
以上が調整レイヤーの設定方法ですが、以下に調整レイヤー作成における注意点を記載しておきます。
もうお気づきの方もいるかと思いますが、調整レイヤーは、調整レイヤーの下にある画像やオブジェクトのレイヤーすべてに効果が反映されます。
なので、部分的に明るさや色合いの調整をくわえたいという場合には別で設定をおこなう必要があります。
調整レイヤーを1つのレイヤーにたいしてのみおこないたい場合はこちらの方法で実行します。
optionを押しながら、レイヤーと調整レイヤーのちょうど間の部分に矢印をもっていくと、90度の角度がついた矢印のアイコンが出現します。
このタイミングでクリックをすれば、その下にある画像にのみ調整レイヤーの効果を適用することができます。
動画でもご覧ください。
調整レイヤーをひとつのレイヤーに何個も適用したい場合は、さらにその上にある調整レイヤーと調整レイヤーの間をoptionを押しながらクリックすれば適用できます。
とても簡単です。
以上が調整レイヤーの使い方の紹介でした。
色の補正をおこないたい場合は迷わず調整レイヤーを使っていきましょう。
堀内 良太
フォトレタッチとイラスト作成が得意なフリーランスのデザイナー。デザインがなんだかアメコミっぽくなる習性がある。ヒップホップを愛する。
こんにちは フォトショップを始めたばかりです。アートボードツールで四方向に複製できるプラスマークができなくて困っていたらこちらで解決出来ました
助かりました。ありがとうございます
レイヤーを学ぼうとしているのですが、背景ツールにブラシツールでレイヤー1枚目の文字を描き、新規レイヤーに二枚目のレイヤーにブラシで文字を描こうとしましたが、そのレイヤーをクリックして
も動きませんでした。カギマークを外せば通常レイヤーになるので大丈夫だと思うのですが、どうしてでしょうか?
お教えいただければ助かります
初めまして
調整レイヤーを常時反映した状態のレイヤーがあるデータを見る機会があったのですが、どのようにリンク?というか反映させられるのでしょうか?
レイヤーとしてはグループ化された調整レイヤーが一番下段にありました
その上にカラーオーバーレイするために調整レイヤーを反映させたレイヤーが複数存在していました
常時反映しているので調整レイヤーを触ると上のレイヤーの画像も影響が反映していました
どのように作成するのかご存知であれば是非教えていただきたいです
よろしくお願いします
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