西原 伸也
2019/08/23
今回はキャッチコピーについて書いてみました。結構バズったキャッチコピー「岡山の奇跡」についても書いてみようと思います。 「岡山の奇跡」というキャッチコピーは、ある女性タレントに命名したものです。
このキャッチコピーは結構話題になって、派生のコピーまで生まれました。例えば福岡の奇跡とかとりあえず岡山の奇跡が流行っているし福岡の奇跡使とか。。みたいな浅はかなコピーも沢山生まれました。
まあ、それくらい話題なったということは、キャッチコピーとしては成功だったと思います。 では、その「岡山の奇跡」というキャッチコピーを僕がどうやって考えたか、そのことを今回は少し書いてみようと思います。
まず初めに説明しておかないといけないのは、僕は「岡山の奇跡」と命名したタレントさんの事務所の人ではありませんし、なんならそのタレントさんとちゃんと会ったこともありません。
じゃあなぜ、そんなことを考えたんだって話ですが、当時僕のやっていた「ケツバットガール」という企画が話題になった後に炎上し、少し面倒だったので「何か別の話題作りでもしてみるか?」と思ったことがきっかけでした。
普段の業務で僕は美少女図鑑というフリーペーパーの仕事に関わっており、たまたま机に岡山で発行された岡山美少女図鑑がありました。 その表紙になっていた子が可愛かったので、編集長さんに連絡をして、
「この子結構かわいいじゃないですか?どっか事務所入ったりしないんですか?こういう子好きな人沢山いそうなんですけど?」みたいな感じの連絡をしました。そうしたら、編集長から
「事務所には入ったんですけど、別に何か仕事とかが決まっているわけじゃないし、何をしているのかちょっと分からない、、」みたいな返答がありました。
「もちろん事務所に入ってオーディションを受けたりレッスンしてくれたりはあるけど、話題作りまではなかなかしてもらえないことが多かったりもするので、話題なんて自分で作った方がいいですよ!」みたいなことを話すと、何をしたらいいのか分からないっていうので、「じゃあ僕やりますよ。」って話になりました。
もちろん可能性のない子だったらそんなこと言いませんが、その子に関しては応援してくれるファン層が見えやすかったので、やり方によっては話題を作るのは簡単じゃないか?と思いました。
それでその場で考えたのが「岡山の奇跡」というキャッチコピーです。
このキャッチコピーを作るときに考えたのは、なぜ「岡山の奇跡」と言うのかという理由が必要だと思いました。当時橋本環奈さんがライブ中に撮られた写真が「奇跡の一枚」といわれ話題になりました。そのあとに「1000年に1人」みたいなキャッチコピーに変わっていったかと思います。
もちろん「岡山の奇跡」もその2つの誰が言い出したかわからないけど、話題になったキャッチコピーに影響されたことは間違いありません。ただ、その耳障りの良さに理由を付け足した方が分かりやすくなるのではないかと考えました。なにが「岡山の奇跡なのか?」という理由を。
そこで岡山美少女図鑑編集長の言っていた言葉を思い出しました。その編集長が岡山美少女図鑑を発行した理由に「岡山は日本三大ブス県だと言われていて、それを払拭したい。」みたいな話をしていたことがあったのです。実は僕の出身は岡山なのですが、そんなこと聞いたこともなかったのですが、今岡山に住んでいる人がそう言ったわけだし、それはうまく使えるのではないかと考え、「美人不毛の地」というキーワードが浮かんできました。
基本的に僕は嘘をつくのは嫌いなのですが、実際に岡山の人が言っていたわけだし、三大ブス県だと言っている人がいることが事実だったのでこれは使おうと。
「美人不毛の地岡山で可愛い子が発見された!」
みたいなのは結構インパクトがあるなと考えました。
この流れでもっとリズミカルで見た人が言いたくなる風にアレンジしようと考えて、完成したのが、「美人不毛の地岡山で奇跡が起こった!岡山の奇跡、○○○○○が超絶にかわいい」という一文でした。
こうすることによって、なんで岡山の奇跡と言われているかという疑問に対しては、「岡山が美人不毛の地だから 」という理由ができたことになる。そこが重要だと思っていました。
それで、そのまあまあ自信があったこのコピーをどうやって浸透させていくかと考えたときに、お金をかけれるわけではないので、何か拡散していく受け皿が必要だと考えて、ちょうどそのときによく使われていたNAVERまとめを使うとこにしました。NAVERが当時SEO的に強かったというのもあります。今だったらNAVERが良いかどうかわかりません。noteとかが良いのかな。
そこに、何枚かもらったその子の写真に一言添えて、「美人不毛の地、岡山で奇跡が起こった。岡山の奇跡○○○○○○が超絶にかわいい」というタイトルをつけてまとめを公開し、その公開したものを自分のTwitterで拡散しました。今段階で200万PVぐらいですね。
僕のTwitterのフォロワーは大して多くないのですが、なんとなくまだ、売れていない女の子に対して目利きができている人と思ってくれていると思ってくれている人が多少います。フォロワー数なんか結構どうでもよくて、どういう人がフォローしてくれているかの方が重要です。
その人達はきっと僕がなんとなく拡散したものに関しては、広げてくれる可能性があると踏んでいて、思っていた通り拡散されて行きました。
もちろん、その○○○○○さんが、全く魅力の無い子だったら、拡散はされませんが、初めに言ったとおり、応援してくれるファン層が見えていたので、結構スムーズに拡散されていきました。 そこで拡散されてくると、前提の「美人不毛の地岡山で」という部分が活きてきます。
一人歩きしていくのは「岡山の奇跡」という部分なのですが、誰かが人に話すときに「岡山の奇跡って知ってる?」みたいな会話が想定できて、それを話す人は相手が知らないことだと思って話すので、聞かれた方は基本的に「なにそれ?」「知らない?」みたいな返事がくることが想定されます。
その返事に対して「岡山って美人不毛の地でさ、そこの○○○○○○って子が岡山の奇跡って言われててめちゃくちゃかわいい」みたいな会話になります。
まあ名前に関しては覚えられるのは後で、「岡山の奇跡って言われている子がいる」みたいなのでいいとは思っていましたけど。やっぱり世の中に話のネタとして提供できることを考えて作ったので想定通りでした。
そうして作ったこの「岡山の奇跡」というコピーは予想以上に跳ねました。もちろんある程度ディスられることも想定していましたが、このコピーは事務所の人が考えたわけじゃないし、まったく関係のない僕が考えたわけなので、本人がインタビューとかで「岡山の奇跡と言われていますが?」と聞かれても「恥ずかしいです」とか「申し訳ないです」とか答えておけば、それでいいし、多少何かを言われることはあっても本人にはこのコピーはメリットの方が大きいはずだと思っていました。
思った以上に「岡山の奇跡」というコピーは跳ね、「福岡の奇跡」という、何も考えず話題に乗っかっただけのコピーや「岡山の限界」といったとりあえずディスに変えればいいだろ?みたいな適当なコピーが溢れたことから、本当に話題になったコピーを作れたなと思います。
一番驚いたのは岡山の実家に帰ったときに田舎の高齢の両親に「最近は何やっているのか?」と聞かれたときに、○○○○○の話題作りみたいなのをちょっと遊びでやったって話したら、その子って「岡山の奇跡って言われている子だろうが?」って言われました。我ながら凄いコピーを作れたんだなって思いました。
という感じで「岡山の奇跡」というキャッチコピーを世に放ったわけなのですが、今の時代にキャッチコピーを作る上で重要なのは、コピーそのものというよりも、そのコピーに至るまでの前提にあると思います。
特に世の中にそのキャッチコピーを投下したときに、初期段階で「なぜ」という問いを作り、その回答をネットのどこか(まとめサイトやSNS)に受け皿として置いておきます。
検索した人が「なぜ」を誰かに話せる状況を作っておいてあげることが結構今っぽいかと思います。
その仕組みをうまく作っていれば、ネットの記事にもなる確率も上がってきます。記事を書く人は話題になりそうな記事を探しているので、使いやすいネタは重宝されます。
ネットのニュースにはタイトルと記事本文がありますが、タイトルのところでキャッチコピーをそのまま使ったような形で紹介されて、本文で「なぜ?」の部分を説明している形が多いのですが、正直「なぜ」の部分をライターが自分で考えることも難しいし、考えられたとしても憶測になります。
なので結局はネットで調べることが大半なので、記事を書く人がネットを使ってそのキャッチコピーを調べたときに「なるほどな」と思える書き方にしておくことも大事です。それができればライターは記事を書きやすいし、ある程度内容も誘導できて拡散されやすいと言えます。
それに加えてSEO的に強いサイトと組み合わせたりするとヒットするキャッチコピーというのは割と作りやすいんですよね。
あと、バズらせてもその子自体が良くなければ、どうしようもないのは間違いないです。モチベーションも湧かないですしね。売れるたくさんのキッカケの一つになってると良いなとも思います。
西原 伸也
二階堂ふみ、黒島結菜などを芸能界という荒波に放り込む。「岡山の奇跡」のコピーを勝手に作ったり、ケツバットガールで燃えたり、「ぼくらのお目かけ女の子100!」主催
コエ
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