石川 洋平
2018/12/22
Web制作を考えるときに、意外と困るのがお客様の声のデザインです。もちろん全体のトンマナに合わせてデザインするものですが、どんなパターンがあるかを知っておくかはデザイナーにとって重要です。
また、今では普通ですが、考えてみたらWebからモノを買うというのは、非常にリスキーなです。大昔なら紹介を受けてものを仕入れたり、実態店舗から直接買うわけなので、それが信用の担保になりました。
今はWebページだけを見て、ときには前払いするわけなので、何を信用信頼の担保にするべきなのかという疑問にぶつかります。そう考えるだけでもデザインというのは非常に重要な時代になったなと思います。
Web全体のデザインが重要なのは勿論、その要素としての「お客さまの声」を作り込むことは、Webでサービスやモノを売るにあたってなくてはならないものと言えます。
ただし、お客さまの声は作り方によっては胡散臭く、嘘臭くもなりかねません。その回収も簡単ではありません。Web制作者にとって、お客さまの声回収のスキームを提案してあげてスムーズな回収・構築を目指しましょう。
デザイン面と手法面の2方向にわけてパターン化しました。
デザインでよくある4つのパターンです。主にランディングページなどで多く見られるパターンです。
お客さまの声は捏造できてしまうので、信用を落としかねません。このようにお客さまの自筆をスキャンして使うことで、すごく信用性の高いコンテンツになります。
デメリットとしては、SEO的にテキストを拾えないので、そういう勿体無さはあります。そのため、スキャンと同じテキストも記載して、あくまで手書きスキャンはエビデンスとして軽く提示するだけというパターンも多いです。
声を吹き出しにするパターンも多いですね。デザイン的にも可愛く、非常に綺麗にまとまった参考にしたいデザインです。CSSで作られた吹き出しなので、テキストも拾えて良いですね。
お客さまの声の吹き出しCSS作成方法
CSSの吹き出し作成には便利なジェネレーターがあります。
次は、DTPやポスターやランディングページなどでよく使われる吹き出しパターンです。
サマリー的に円グラフでお客さまの声を視覚化し、そのあとに個別のお客様の声を見せるデザインです。
上記はデザインの工夫でしたが、こんどはWebのリッチコンテンツを利用した手法の一覧です。
実績写真の撮影、お客様の笑顔の写真なども掲載するパターンです。これはここまでできるのは高額商品の住宅系が多いです。全部これが理想ですが、リアルに会う接点が多い業界だからできる形ですね。
ブランド力があればあるほど効果的なお客さまのロゴを配置するパターン。BtoBの業界で、ブランドパワーを利用して、信用信頼を得るパターンです。ロゴ掲載までいくと相手方の広報を含め掲載許可を取るハードルがありますので、信頼性としてはこれに勝るものはないでしょう。
手間がかかりますが、取材した上に、動画でお客様の顔や商品を入れるパターンです。こちらも高額商品だからできるということと、ユーザーが商品を動画で見たいという需要があるからこそできるパターンです。
お客様の不満の声を改善策とセットで見せて、企業アピールをするパターンです。
お客さまの声をサイト制作の際にクライアントから「入れたい」もしくは「入れましょう!」とご提案したとしましょう。実際どう集めるかを一緒に提案することが重要です。
なぜならクライアント任せでは、ことが進まないことが多いためです。クライアントも入れたいという思いはあっても具体的手法が思いつかない場合も多々あります。
集め方を一緒に提案することで、Web制作者としての価値が出せます。待っていても本当に来ないんですよね、、
古典的手法ですが、クライアントと1度はリアルに接点を持つ商品の場合は、有効です。私ごとですが、クライアントの声を数百件、同時に集める仕事があり、営業にiPadを持たせ、簡単にタップして、書き込めるサイトをいま構築しています。
クライアントの声はその重要性と反比例して、意見を出す方も集める方も大変です。いかに双方向とも手間がかからないような仕組みを作るかが重要です。
アンケート機能が簡単に作成できるサイトに飛ばしてお手軽に回収するという方法もあります。もちろん貴社のWebページに埋め込みができます。
こちらも古典的な手法ですが、商品購入後のサンキューメールで、アンケートを送信するという手法です。弊社運営のサービスでは10%程度の回収率ですが、特典をうまくつけることで、回収率のアップが見込めますので繰り返し、改善を続けると良いでしょう。
お客さまの声は、サービス提供者側が自身では言いにくいことを、お客さまが代弁してくれるということです。自社の商品が素晴らしい!と声高にうたっても、ユーザーに響くことは難しい時代に入っています。
お客さまの声は、ときに胡散臭く感じることがあります。サービス側提供者側が意図的に作った「お客さまの声」と見える場合があるためです。Webも成熟し、お客さまの声が額面通りに受け取られる時代でもなくなったということです。
もちろん個人情報保護が厳しい昨今ですので、何に利用するか?などをはっきり明示し、許可を取る必要があります。
具体的になればなるほど、信頼性はアップします。当然顔を出してまでその商品に貢献したいという方はそう多くはないため、大きな特典をつけるなどをします。具体的には●%引きなどのサービスです。高額商品であれば、たとえ数パーセントでもお客さまにとっては大きなメリットとなります。
個人情報に加えて、FacebookやTwitterなどのSNSリンクまでつけさせてもらえれば、さらに信頼度が高まります。身近な人から集める工夫をしましょう。
これも大事なことです。マクドナルドの店内には、お客さまの声が掲示さられていることが多いです。スタッフの笑顔が良い、商品が美味しいなどと並んで、床が汚い、トイレが臭いなどポジティブと同数のネガティブコメントが掲示されています。これはおそらく本部からの指示だと思いますが、そうすることによって、意図的に操作できてしまうお客さまの声を中立なものに引き上げていると言えるでしょう。
Web制作の現場では、常にお客さまの声を入れるという話が頻出すると思います。クライアントの言うことを聞いて、ただでてくるのを待つでのはなく、「信用信頼を担保できる方法が可能かどうか?」「十分にお客さまの声を引き出せるかどうか?」の2点を頭に入れながら、作成を検討することが重要だと考えます。
それが担保されないのであれば、あえて入れないということも同時に重要です。
石川 洋平
普通の4大在籍中に、美大などに憧れを持ちつつ、コピー機を使ったコラージュなどでデザインに目覚める。DTP、ムービー、Web、3D、一通り経験したのち、最終的に作ることから、ウェブマーケティングで売ることにジョブチェンジする。
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