石川 洋平
2019/01/04
現在、私はフリーランスではなく法人化して一応会社にしています。2年と少しフリーランスを経験し、その後法人成りしました。フリーランスの期間は時間的にもったいなかったなと今になって思います。
よく年商1000万円を超えたら、法人化した方がいいとか聞きますが、それは結構どっちでもよく、結論、早めに法人化した方が良いです。
なぜなら、
フリーランスから法人化して2年が経ちましたが、率直な感想して会社というだけで凄そうに見られるということがメリットとして大きいです。
フリーランス時代によく言われたことは「大変そうですねー。」一方、法人化すると「すごいですねぇ」たいしてやってることが変わらないのに、扱いが仕事上でも、プライベートの友人や家族でも全然違います。
これは結構不思議な気がします。心の中では「フリーランスと大して変わらんのだけどなぁ、、」と思います。
父親世代は会社を作るっていうのは、さぞや大変なんだろうと数十年前の固定観念があります。失敗して借金取りに終われるようなイメージがあるのかもしれません。インターネット以前とインターネット以後の世界ではビジネスの場は一変しました。
確かに、初期の設備投資で数百万・数千万円を借り入れする必要なビジネスでは多大なるリスクがあります。大儲けできる可能性もありますが、昔テレビで見たような借金取りに終われ、一族郎党追われるような可能性もあります。実際に、子供の頃、夜逃げする友人もいましたし。
しかし、フリーランスのデザイナーやエンジニアの場合は、元手がほとんどかかりません。パソコン一台あればほぼ完結する職業です。また、インターネットがあるので、営業先は無限にあり、たくさんの営業マンが束になって営業するような必要もありません。強いホームページは、強い数人、数十人、数百人の営業マンなのです。
つまり、
これが昔と今と違う法人化へのハードルを下げる理由です。少々のスキルがあれば誰でもできます。
社会的な信用を得られやすいというのはプライベートでもそうですが、もちろん仕事上でも大きいです。ある一定の信頼感が法人にはあります。また、小規模な法人が乱立する時代になってきているので、昔よりは資本金・規模感などが評価され、小さいから商売したくないというような足切り感覚は少なくなっているよう感じています。
会社というのは、なんだかすごいんじゃないかと見られるような得体の知れない不思議な生き物です。実際はショボくてもです、、不思議な幻想を抱かせてくれます。中小企業でもありますよね、全員が役職者のような名刺を持つ会社が。あれと一緒ですね。
嘘をつくのはもちろんNGですが、会社を少し大きく見せるような工夫は常識の範囲でありだと思います。自社以上の力を装うのはブランディングとも言い換えることができると思います。
正解でもなんでもなく、うちの会社が大きく見えるためにやったことを書きます。
はじめは自分の好きな中野区にしようと思いましたが、中野区にデザイン会社かーと思い、個人的な好き嫌いは諦めました。
大きな会社に少しでも見えるように、渋谷や代々木や赤坂なども却下しました。なぜなら小さなデザイン系・広告会社が多数集まるのがその辺の地域だからです。いえ、もちろん悪くはないんです。でも堅い会社には見えないだろうなと予測しました。渋谷のデザイン会社さんすみません、、
なんか千代田区ってホンモノっぽいじゃいですか笑 大きな会社が集まる地域でもあります。小さなデザイン・広告会社ってイメージはあまりありません。
デザイナーなら、やたらと形状やグラフィックにこだわった名刺もったりしますよね?すごく小さな名刺とか。。一デザイナーとしては好きで好感も持てるのですが、会社の規模感が伝わるので諦めました。
大きい会社はなんというか個性的な名刺ってあんまり作らないんですよね。多分たくさんの色々な層の方が名刺を持って営業するので、名刺ケースに入らないような形状とか、奇抜なデザインは嫌がるんでしょうね。たくさんの方と名刺交換させてもらってきた私のただの主観ですけどね。
急いで数日で作ったという言い訳もしつつ、自社サイトは少しでも大きく見えるようなサイトにしようと考えました。現状は程遠いですが、複雑なギミックがありすぎると、規模感が小さく見えるという矛盾があります。よくありますよね、表示されるまでにすごくロードが長いサイト。
こだわりすぎて、ギミックを詰め込みすぎてバランスの悪いサイト。ああいうサイトは技術力は感じるものの、不思議と規模に関しては小さく見えるんですよね。これは名刺に感じる感覚と同じかもしれません。
たとえば私の好きなサイトデザインで三井物産のサイトがあります。ぱっと見普通のサイトに見えるんですが、一つ一つの写真の質、バランス、見せ方完璧だと思います。当然すごい予算で緻密に作られたサイトなんでしょうけど、そうは素人目には見えないサイトなんですよね。サイトとしては理想です。規模感を感じます。まぁ、大手と知って見てるのもあるでしょうけど。
フリーランスなら、良くも悪くも自分都合でのらりくらり仕事ができるという意見をネット上でも散見できます。半分間違っていて、半分正解です。
私の会社一応就業時間はPM12:00からなのですが、結局クライアントがいるので、AM9:00ごろから結構、電話がかかってきます。世間様はだいたいAM9:00ごろから動き出しているからです。午前中にメールを処理するという担当者も多いので、午前中に回答を求められるメールもバンバン飛んできます。うちだけが、その時間は就業時間じゃありませんから、ということもできなくはないですが、クライアントがいなくなるはずです。
そう、結局フリーだろうが、法人だろうが、仕事はクライアント次第なので、こちら側から時間をコントロールするのは不可能です。強いて言うなら、通勤時に満員電車に押し込まれることはないぐらいです。これが大きいといえば大きいですが、そこにフリーや法人は関係ありません。
こちらの動きにクライアントの動きを合わせられるほどの強者なら大丈夫ですけど。
フリーランスはどこまで行ってもその日暮らしの日雇い労働感が拭えないことがしんどかったです。法人化すると将のビジョンを立てて動くことがしやすいです。
フリーランス時代の年収はサラリーマン時代に比べて約2倍になりました。金銭面ではかなり余裕がでましたが、規模感はかなり小さな仕事の寄せ集めになりました。今までは外注に振っていたような「切り取られた仕事」をせっせと集めて回るしんどさがありました。
お金になるならなんでもやる!と言えば聞こえは悪くはないですが、今までやっていた全体を見渡せる仕事とは正反対のパーツの仕事をやるようになりました。もちろんこれも重要な仕事です。
まあ、どこを目指すかなんですけど、イラストのプロ、レタッチのプロ、ウェブデザインのプロとその道を極めたい人には逆に良いかもしれません。もう少し企画に関わりたい、金額の規模感の大きい仕事をしたい人には不向きです。
また、能力の半歩上の仕事は回してくれません。この人はこれをやる能力があるという発注者の想像通りの仕事が投げられるので、少し挑戦してみよう!というような仕事をやる機会が極めて減ります。
これは考えざるをえないんですよね。携わる人がふえていくと、会社の事業領域を会社を作ったときに作りました。円の大きさは強めたいところを指しています。
Web作成やコンテンツ、ライティングなどを強めたくて始めたメディアが本サイトであり、メディアづくりのコンサルやウェブの仕事が少しづつ増えてきました。2年前に作ったこの図を意識しながら動いています。
元々はDTPやグラフィックデザイナーでした。紙の業界を主戦場としていました。その辺りの苦悩は下記ページで。
やりたいことが見えてきたら、会社をその方向性に導いていくというのが、法人化の醍醐味であり、将来生き残るための唯一の戦略です。
株式会社は責任が有限です。出資した範囲以上の責任をおう必要はありません。それに対して、フリーランスは例えば自分の携わる案件にミスが生じて多大なる損害を与えた場合、無限の責任を追います。つまり、場合によっては多大なる借金を背負って自己破産というようなケースも考えうるということです。
詳しくはかけませんが、責任を取らされて500万の負債を背負うかもしれないという危険性がある案件がありました。
これは個人の考えによりかなり違います。だいたいボーダーラインの年商が1000万円を超えると税制上有利と言われますが、事業の安定化を目指したり、なにより自分のやりたい方向に会社組織を使って目指したいなど考えがある場合は、とっとと法人にして、大きい仕事を狙った方が良いと思います。
目の前の小さな税金の大小よりも、もっと長期的視点でどうしていきたいかを考える方が結果的にお金を得やすいと感じます。
個人的な感想では、フリーランスは仕事の経費になんでもしやすい側面があるので、法人にしたら税制上有利だったとしても、一個人のお金の余裕という面で考えるとフリーランスに軍配があがると思います。
石川 洋平
普通の4大在籍中に、美大などに憧れを持ちつつ、コピー機を使ったコラージュなどでデザインに目覚める。DTP、ムービー、Web、3D、一通り経験したのち、最終的に作ることから、ウェブマーケティングで売ることにジョブチェンジする。
なるほど!わかりやすかったです!
法人化、重要ですね!参考にします!
とても勉強になります!!
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