石川 洋平
2018/11/17
ロゴジェネレーター、自動でロゴを作成するブラウザだけでできるサービス。正直、デザイナーからすると死活問題なんですよね。ロゴはピンキリですが、デザイナーが作ると、最低5万から50万ぐらいの範囲で請求します。
何案だすか、どのぐらい方向性を変えた提案を初期段階で作るかなどで変動します。
そんなにカンタンにポンポンロゴが作られてしまうと我々は食えなくなるわけです。なので、多少の色眼鏡はかけている可能性がありますが、極力フェアなジャッジができる視点で使ってみますね。
とにかくロゴを作ってみます。「ロゴ 作成」というキーワードで検索して現時点で1位に君臨するサイトLOGASTER というサービスです。
名前をいれて、うちの会社はデザイン会社なのでプルダウンで「デザイン」を選択します。
もう次のステップで、完成してる。。
会社名と会社のジャンルをいれるだけで、無数のロゴができています。
ページネーションを押し続ける。
ひたすら連打します。違う。なんか違う。
ひたすら連打します。違う。なんか違う。
ひたすら連打します。違う。なんか違う。
ひたすら連打します。違う。なんか違う。
押し続けてわかりました。無限に生成されるんです。会社名とそのジャンルだけで、よくぞここまで。という感じです。
うちの会社が仮にローソクや火を使う会社だったとして、無理やりこの中の一つのロゴを選択してみました。
右側のレイアウトというところから、ロゴマークの位置を変更できます。ここでは、左側に置いてみました。なるほど。
次にスローガンを配置。ここは飛ばせるようです。
背景に色が引かれたときの白抜き状態もチェックできます。
はい、これで決定したとします。ここでロゴファイルをダウンロードできます。
お支払いをすると、まわりが透明なロゴや商標の登録権などが得られます。
そのほか、各種SNSでそのまま使えるロゴセットなどがダウンロードできます。至れりつくせりですね。
しかし、お金を払わずとも、背景が透明な小さなロゴデータをダウンロードができます。
お手軽にロゴが作成できて、SNS系で使うサイズに書き出せる。本当にお金を使いたくなくて、お手軽お気軽にロゴを作成するには最適なツールですね。恐れいりました。とても面白いと思います。
ロゴを作成するときにデザイナーがヒアリングする項目をまとめてみました。それは言い換えるとロゴジェネレーターの改善点にもつながるかもしれません。
それは同時に我々デザイナーの廃業が一歩近くという恐怖感もありますが、、
お客さまの好みに100%寄せていくかどうかは、その時々により違いますが、どんなロゴデザインを望んでいるかを確認します。時には、好きな音楽、映画、ファッションといった趣味嗜好も含めて、クライアントの好みに寄せていきます。
決定権はクライアントにありますので、どんなに素晴らしいデザインでも、クライアントがノーと言えばノーなので。
競合のロゴが、かなり広範囲をターゲットにしたサービスなので、こういうロゴで作成してある。それに対して今回作成するクライアントのポジションがここで、狙うべきターゲットがここなので、こういう硬い感じのロゴにする。
といった、競合に対してのポジション取りをロゴに持たせることもよくあります。カラーも同じです。
カンタンにいうと、ひと昔前のドコモがブルー、auがオレンジ、ボーダフォンがレッドなので、TU-KAは黄色を使うといったポジション取りですね。
実際、10年後みたら古臭く感じる可能性はもちろんあるのですが、毎年変わるロゴのトレンドの中でも現時点で、おそらくこういう表現は古くはならないだろうというと予測してみたりもします。
シンプルにシンプルにロゴを魅せるという現状のトレンドが変わっている可能性がありますので、答え合わせは10年後になりますが。
2018年のロゴのトレンドは何だろうというのを確認することもよくやります。現在地を確認しながら未来の立ち位置を想像することをよくやるわけです。
ここは直接的に聞くというより、いろいろと話あっていく中で、その背景を読み取るといったイメージです。仮に、「世界を救う」という理念が横たわっているならば、その意味合いをロゴのどこかに持たせるなどを行います。ロゴ作成時に最も重要になるポイントです。
なぜなら、ロゴはデザインで選ぶのではなく、意味合いで選ぶからです。
上記でデザイナーがロゴを作る際にヒアリングする考えるポイントをまとめてみました。ロゴというのはカンタンに見える様でいて、実に多角的な角度から作成されています。
それをデザインで表現することと、言葉に落とし込んで説明し、クライアントと共有して共感していただき、その意味合いを感じながら使っていただく、その後、社員全員に共有していただくというインナーブランディングの要素も兼ね備えています。ここまででロゴとしての完成です。
一方、ロゴジェネレーターというと、まだまだ進化できる余地はありますね。外国のサイトなので、デザインは日本語対応しているとはいえ、どこかバタくささが漂います。
現状はたとえるなら、リーズナブルな価格で、中華料理、日本料理、イタリア料理、フランス料理、アメリカ料理を取り扱うお店で、何にしますか?と聞かれて
「では日本料理」で適当に!とオーダーするようなものです。好きなものも嫌いなものも続々と運ばれてきて、どれにする?と言われる感じに近いです。
デザイナーが作るロゴとは大きな開きがありますが、②ロゴを作成するときにデザイナーが聞くヒアリング項目の一つ一つを質問形式に落とし込んで。
など項目を100ぐらいに落とし込んでいけば、デザイナーが作るものとほぼ同じものが作れるかもしれません。
もちろん現状でもお金がないスタートアップの起業家、個人事業主などは重宝すると思います。無限にロゴが生成されるので、選ぶのが本当に大変だと思いますが。
たくさんの自動生成されるロゴの中から、フィーリングで気になるものを選ぶのと同時に、意味合いを後付けで考えると選びやすくなります。
先ほど生成されたロゴの一つですが、パレットの様にみえるものの中に大きい丸が1つ、小さい丸が5つあります。
たとえば、「コアビジネス(大きな丸)●●を核に、5つの●●のサービス(小さい丸)が取り囲みお客さまの豊かな生活を描く」
という想いが込められたロゴである。というように、自社の状況を考えながら、ロゴを選ぶという観点で後付けするのです。このような発想でデザインを選択することで、デザイナーが考えたロゴと同じ様な発想でロゴをつくることができると思いますので、ぜひ参考にしてください。
石川 洋平
普通の4大在籍中に、美大などに憧れを持ちつつ、コピー機を使ったコラージュなどでデザインに目覚める。DTP、ムービー、Web、3D、一通り経験したのち、最終的に作ることから、ウェブマーケティングで売ることにジョブチェンジする。
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