清水 健次
2018/12/25
雑誌やチラシの構成において、メインとなるのがタイトル、キャッチコピーです。
文字や文章の意味も含めて、紙面全体の象徴となるので、デザインも一工夫したいところ。
今回はそのタイトル、キャッチコピーの作り方について考えたいと思います。
紙面の中で、タイトルは何か、キャッチコピーは何かということはデザインにおいてかなり重要となります。その言葉でデザインの方向性が決まると言ってもいいくらいです。
コピーやタイトルはライターがいない場合や、クライアントから降りてこない場合が多々あるので、デザイナーが言葉選びを任されることもあります。
コピーライターが素晴らしいキャッチをガツンと一言出してくれれば、その言葉の力だけでなんとかなったりしますが、そうじゃない時は尚更「見せる力」が必要です。
打ち文字だけでは表現が物足りない…
という時に困らないように、表現方法の幅を広げておきましょう。
ここからは例を挙げて実際に作っていきたいと思います。
例えば「最速!」というキャッチコピーだったとします。インパクトがほしいところですよね。まずはフォントを選びます。ゴシック系でウェイトの重いものを選びました。
これだけでもまあまあインパクトはありますが笑
より「最速」っぽくしていきましょう。
文字をアウトライン化し、シアーを15度かけてみます。
ペンツールでエッジに細工していきます。
だいぶ最速感が出てきたんじゃないでしょうか。
元のフォントで気にくわない形もこういう風に修正します。
最終的にこういう形になりました。ただの打ち文字に比べて最速!というのが見た目でもわかりやすくデザインされています。
必要に応じて、自由変形ツールを使って動きを出したり、回転ツールで斜めにレイアウトするなどの工夫もありですね。
今度は「のんびり」というキャッチコピーだったとします。フォントはウェイトの軽い明朝系にしました。
だらっとした感じを出したいので少し平体で潰して、文字間を空けます。
次に文字にアウトラインをかけて、ペンツールで好みの曲線に書き換えます。今回はリラックスするような、だらだらふにゃふにゃといったイメージで作ります。
あまり崩しすぎると読めなくなってしまうので、元のフォントのパーツは残しつつ形を整えていきます。
パーツをバラバラにしたり、繋げたり、伸ばしたり、縮めたりしながら…
そうして出来上がった文字がこちら。のんびりとした雰囲気が出たんじゃないでしょうか?少しやりすぎた気もしますが…
いずれも、コピーに合った形状に文字を変えることで、より見る人に伝わりやすくなっていると思います。言葉とデザインを合わせて、打ち文字だけでは出せないオリジナルの魅力を出せれば効果的です。
しかし、やりすぎには本当に注意です。タイトルやコピーが読めなくなってしまったら本末転倒ですからね。
②で紹介した文字の作り方は、別に紹介した場合のみに使える作り方ではありません。
「スピード感」「のんびり」として例を挙げていますが、応用すると色々な場面で使えます。
要は文字に一手間加えているというだけです。
そういった小技を増やし、応用することでデザインの幅は広がります。
今回紹介した小技は、より紙面の内容をわかりやすく、端的に伝えるためのデザインテクニックです。
ここで小技を学ぼうが、大技を学ぼうが、結局のところ伝わらなければ意味がありません。
伝えたいことを的確に表現できる感性こそが最も大事です。
が、感性はあるのにデザインの幅が無くて表現したくてもできないでは困りますよね。
そのためにもひきだしは増やしておきましょう。
清水 健次
元自衛官で、漫画家志望のデザイナーという異色の経歴。イラストレーターでイラストをサクサク描くのが得意技。アニメーションなどにも長ける。センスのみでご飯を食べてる、稀有なデザイナー。
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