堀内 良太
2019/11/22
Adobeを代表するグラフィックソフトに、PhotoshopとIllustratorの2つがありますが
はじめて購入する人や少ししかさわったことがない人にとっては違いが分かりずらいかもしれません。
そんな人向けに、この記事では以下の内容を紹介していきます。
紹介していきますが、それらを紹介する前に結論からお伝えしておきます。
●Photoshopは
写真の加工や写真同士の合成、写真の詳細な色調整など、画像を扱ったデザインを得意とするソフトです。
画像の加工はフォトショップ、とおぼえておいてください。
●Illustratorは
ロゴやイラスト、雑誌やチラシ、ポスターなどの平面のデザインをつくることを得意としたソフトです。
図形やイラスト、印刷物の作成はイラレ、とおぼえておいてください。
結論を見た上で、それらの特徴と違いを詳しくみていきましょう。
2つのソフトが採用しているデータ表示方式です。
ベクトルデータ(ベクターデータともいいます)は、ポイント(点)ライン(線)ポリゴン(面)の3つの要素で表現したものです。
ベクトルデータは画像を縮小したり、その後もとのサイズに戻しても画質が荒くなりません。
ビットマップは細かいドットが集合して色を表現します。拡大や縮小を繰り返すと画質が荒くなりますが、ドットひとつひとつに色がつけられるので、ベクトルデータではできない細かい色や陰影の強弱の表現ができます。
フォトショップはビットマップデータを扱っていて、おもに画像の加工を得意としています。
写真を切り抜いたり、別の写真と合わせて新しいイメージをつくりだしたり、色や明るさの調整などができます。
主なツールや機能
●ペンツール
ペンツールでパスをひくことができます。切り抜きや、画像をマスク(トリミング)するさいに利用します。
●被写体を選択
PhortoshopではAiが自動で人やモノを認識し、選択範囲を作成することができます。選択範囲を作成すれば、切り抜いたり、擬似的に周りをみえなくする「マスク」という効果の設定もできます。
↓被写体を選択で人物を切り抜き
Photoshop Adobe senseiの「被写体を選択」は実際現場で使えるのか?の詳細記事はこちら
●他の画像とトーンをあわせる
Photoshopは、画像と画像を合成することができます。画像に合わせて色調の調整もおこなえるので、全体のトーンをカンタンに合わせることができます。
Photoshop 画像と画像を違和感なく合成するテクニックの詳細記事はこちら
●ブラシツール
オリジナルブラシからフリー〜有料素材のブラシも利用することができ、本物の筆で描いたような繊細なタッチの表現もできます。
Photoshop ブラシ 基本的な使い方からレタッチの活用まで の詳細記事はこちら
●コンテンツに応じた塗りつぶし
枠でおおった人やモノを、違和感なく消しさることができます。こちらもAiが自動で補正をしてくれます。
「コンテンツに応じた塗りつぶし」機能の記事はこちら
●ゆがみツール
ゆがみをつかえば、画像を自由に変形することができます。顔を細くしたり、目をつりあげたり、体を細くしたりなど、はじめての人でもカンタン自由自在です。
●レイヤー効果
オブジェクト(レイヤー)に影や光彩、テクスチャなどの効果をくわえることができます。イラレでは表現しきれない細かい光沢の表現が可能です。
↓テキストに光沢感のある効果を適用する場合
具体例を紹介します。
写真の切り抜き、合成
ペンツールや、Aiの自動選択する機能を使って写真を切り抜いて、別の画像の上に配置してまったく新しいイメージをつくることもできます。
そして、illustratorで作ったロゴや図形をPhotoshopの画像に貼りつけることも可能です。
Photoshop 髪の毛の切り抜きの詳細記事はこちら
Photoshop 画像と画像を違和感なく合成するテクニックの詳細記事はこちら
Photoshop 立体的なボトルにロゴを配置する の詳細記事はこちら
写真の加工・レタッチ
動画でもお見せしましたが、写真を綺麗にしたり、ゆがみや変形をくわえて形を変えたりすることができます。
Photoshopシミやシワ、そばかすなどを綺麗にする方法の詳細記事はこちら
色や明るさの詳細な調整
それらの画像の色彩や明るさの設定ができます。色相の統一や、白黒画像へ変更することも可能です。
ブラシを使って絵を描く
油絵や水彩画のような、本物の筆を使って描いたような表現ができます。透明度を調節したり、ペンタブを使えば筆圧の強弱をつけて描いたりもできます。
Photoshop ブラシ 基本的な使い方からレタッチの活用まで の詳細記事はこちら
webデザイン
webブラウザはピクセル、ビットマットデータで表現されています。ビットマップで表示するPhotoshopはwebとの相性が良く、jpgやpngへの書き出しがカンタンにできるのでほとんどの場合Photoshopでつくられます。
写真の加工やwebデザインはフォトショ、とおぼえておきましょう。
イラストレーターはベクトルデータを扱います。ベクトルなので、はっきりとした線や色を表現することができます。
図形やイラストをつくることに特化したソフトです。
おもななツールや機能は
●楕円形ツール
円や四角、三角、六角形などの図形の作成。
↓楕円形ツールを使ってグラフをつくる。
●パスファインダーツール
楕円形ツールでつくったオブジェクトを分割したり、別のオブジェクトと合体させたりできる。
↓楕円形をパスファインダーで分割して吹き出しをつくる
illustratorのパスファインダーの現場テクニックの詳細記事はこちら
●ペンツール
ペンツールという直線や曲線を自由に描けるツールを使ってイラストやロゴなどをつくりだすことができます。
↓ペンツールで画像をトレースして似顔絵を描く。
illustratorのペンツールの詳細記事はこちら
●レイヤー
アニメのセル画のようにテキストやオブジェクトを階層に分けて管理することができます。表示のON、OFFができるので、使わないレイヤーを目隠ししておくこともできます。
↓テキストやイラスト、画像などをレイヤーごとに分けて管理することができる。
illustratorのレイヤーに関する詳細記事はこちら
具体例をみていきます。
ロゴ制作・パッケージデザイン
ベクターデータなので、はっきりとした線や色でロゴやロゴを使ってパッケージデザインをつくることができます。
作ったデータはテキストのアウトラインをとって印刷会社に入稿することができます。印刷物をPhotoshopで入稿することはほぼありません。
Illustrator デザイナーがたぶん知らない入稿チェック方法の記事はこちら
キャラクターの制作
先程動画でも紹介しましたが、画像をペンツールでトレースして人物の似顔絵を描いたり、オリジナルでアニメや漫画のキャラクターを描くこともできます。
illustratorの初心者でも人物をカンタンにイラスト化の詳細記事はこちら
雑誌や広告のデザイン・編集
雑誌の表紙〜ページのデザイン、編集をすることができます。いわゆるDTP(Desktop Publishing)オペレーションができます。画像はPhotoshopで加工したものをのせることもできます。
パターンの作成
イラレでは図形を組み合わせてパターン(連続した柄)のデザインをつくることができます。
作ったパターンをPhotoshopにもっていけば画像に合成することもできます。
illustratorのパターンのつくりかたの詳細記事はこちら
図形やイラストをつくるときはイラレがオススメです。
イラレとフォトショの特徴と違いを紹介しました。
以下にまとめましたので、参考にしていただければと思います。
イラレはベクトルデータ
フォトショップはビットマップデータ
以上、イラレとフォトショップの特徴と機能の紹介でした。
堀内 良太
フォトレタッチとイラスト作成が得意なフリーランスのデザイナー。デザインがなんだかアメコミっぽくなる習性がある。ヒップホップを愛する。
こちらで勉強させて頂いてます。
すみません、質問です。
ベクトルデータ;ただし、大きくする場合は劣化するので注意が必要です。
パス化すれば、何があっても劣化はしないと思っていたのですが、どういった事情で劣化するのでしょうか?
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